今、「電池の世界」が熱い! 面白い!!
今や「次代の産業のコメ」とも期待され、業種・業界、研究領域を問わず熾烈な開発競争を
展開する「電池の世界」。
また、欧米ほか中国・韓国らとの国家産業の生き残り競争でもある「電池の世界」。
日本は果たして「電子立国日本」ならぬ「電池立国日本」になれるか?
2019年ノーベル化学賞で吉野彰氏が受賞したリチウムイオン電池はもちろん、電池の基本であるボルタ電池からポストリチウムイオン電池まで、豊富な図表とやさしい解説でわかる
エネルギー革命の基本と最前線!
発売:2019 / 10 / 30
ISBN978-4-88181-876-3
四六判
232ページ
価格:2,000円+税
編者:神野将志
神野将志(じんの・まさし)
名古屋大学大学院卒業後、特許庁入庁。審査官として、有機化学、電気化学の審査を担当。
2019 年から審判官として有機化学、食品関係の審判を担当し、現在に至る。その間、北京大学大学院へ留学し修士課程を修了。日本知財学会員。
平成29年度のリチウム二次電池の技術動向調査の担当をした際、今後、エネルギーを生み出す、
蓄えることに関する分野の発展が大切だと再認識し、理科が苦手な人でも読みやすい本を出してより
多くの人にこの分野に親しんでもらおうと考える。
・身の回りは電池だらけになっていた!?
・人類が最初に発明した電池─電池の基本がわかるボルタ電池
・中学で習うボルタ電池から電池の基本を知る
・金属が「イオンになりたい」という性質を利用する
・ボルタ電池の欠点
・ボルタ電池が生まれるまで
・ボルタ電池発明以後
・電池の産業的な利用を可能にしたダニエル電池
・電池開発黎明期に活躍した日本人
・世界初? 乾電池を発明した屋井先蔵
・結局、日本人で最初に乾電池を発明した人は誰だ?
・鉛蓄電池の始祖 ─ 島津源蔵(二代目)
◆COLUMN <平賀源内の「エレキテル」!?>
・エジソンの発明と電池の開発
・電気をどう溜める(作る)で分類される電池のタイプ
・身の回りに一般的にある化学電池の基本構造
◆COLUMN <ショートサーキットと内部短絡>
・電池の規格
・どんな電池がどのくらい出回っているのか?
◆COLUMN <特許制度について(国際特許)>
・一次電池って何?
・マンガン電池の原型 ─ルクランシェ電池
・マンガン電池へと発展する前
・ルクランシェ電池の反応
◆COLUMN <自己放電>
・乾電池を一挙に普及させたマンガン電池
・マンガン電池の構造
・マンガン電池の反応
・パワーアップしたアルカリ電池
・電解液をアルカリにした
・アルカリ電池での技術的改良点
◆COLUMN <電池の容量>
・放電電圧が一定という強み─酸化銀電池
・精密さを要求される時計などに使われる
・酸化銀電池の反応
◆COLUMN <エネルギー、エネルギー密度>
・小型・軽量でも、さらにパワーがある─リチウム電池
・アルカリ電池を小型・軽量・ハイパワーにした一次電池
・リチウム電池の構造
・リチウム電池の反応
・リチウム電池の特徴
・二次電池って何?
・もっとも古くからある二次電池で活躍の場も広い鉛蓄電池
・鉛電池の構造と充放電のしくみ
・始動用バッテリーとディープサイクルバッテリー
・バッテリーが上がる ─ サルフェーション
・カーバッテリーの規格について
・乾電池として活躍してきたニカド電池
・ポータブル機器の電源として活躍してきた二次電池
・ニカド電池の反応
・ニカド電池が蓄電池の主役を奪われた理由
◆COLUMN <メモリー効果>
・ニカド電池誕生から約100年後に登場したニッケル水素電池
・水素吸蔵合金の発見によって生まれた
・ニッケル水素電池の充放電のしくみ
・ニッケル水素電池のメリット・デメリット
・電池の地位を一気に高めたリチウムイオン電池
・二次電池の充放電について ─ 高速で充電するということ
・Cレート ─ 1時間で満充電できる電流の大きさ=1C
・高速充電と電流
・高速充電のときに使う電気を身近な例で換算すると
・高速充電を一般家庭にあるもので考える
◆COLUMN <電池の出力特性>
・「産業のコメ」と言われるまでに電池産業の地位を高めた電池
・リチウムイオン電池の研究開発の歴史
・リチウム金属電池
・リチウムイオン電池
・リチウムイオン電池の何が凄いのか?
・軽い
・小さい
・自己放電が少ない
・大容量
・長い寿命(サイクル寿命)
・高電圧
・低温での作動が可能
・環境にやさしい金属の使用
・非水系電解液(有機電解液)の使用
◆COLUMN <サイクル寿命>
・リチウムイオン電池のデメリット
・コスト
・コバルト等の資源の枯渇
・発火の危険性
・リチウム金属電池、リチウムイオン電池が発火する機構
・リチウムイオン電池の基本反応
・リチウムイオン電池が充放電するしくみ
◆COLUMN <デンドライト>
・リチウムイオン電池の形状
・円筒型
・角型
・ラミネート型、パウチ型
・様々な正極材(活物質)について
・正極材料(活物質)に求められる性質
・正極材① LCO(コバルト酸リチウム)
・正極材② LNO(ニッケル酸リチウム)
・正極材③ LMO(マンガン酸リチウム)
・正極材④ NCM(ニッケルコバルトマンガン複合酸化リチウム)
・正極材⑤ NCA(LiNi0.8Co0.15Al0.05O2)
・正極材⑥ LMO スピネル系(LiMn2O4)
・正極材⑦ LFP オリビン系(LiFePO4)
・主に黒鉛が用いられる負極材について
・リチウムイオンを吸蔵・放出する負極材料
・黒鉛の利点
・黒鉛の性質とリチウムイオンの吸蔵・放出
・再評価されている黒鉛に替わる負極材 ─ チタン酸リチウム
◆COLUMN <6分だけの充電で320キロ走行できる
電気自動車がもう目の前に?>
・次世代電池の負極として期待されている合金系負極
・リチウムイオン電池に望ましい電解質とは
・非水系の電解質
・高い導伝性
・電気化学的安定性
・温度変化に対する耐性
◆COLUMN <電位窓>
・もっと電解質について ─ 電解質=溶媒+支持塩+添加剤
・溶媒について
・支持塩(支持電解質)について
・添加剤について
・その他の材料のなかでも重要なセパレータ
・セパレータ ─ 短絡を防ぎ、リチウムイオンを透過する
・セパレータに求められる性質
◆COLUMN <過放電と過充電>
・リチウムイオン電池とレアメタル
・電気自動車(EV)価格の1/2 ~1/3を占める電池
・リチウム・ニッケル・コバルトの資源の偏在性
◆COLUMN <実は新しい技術:リサイクル技術>
・リチウムイオン電池の開発競争の現在
・本格的な実用化はもうすぐそこ! ─ 全固体電池
・全固体電池の革命的な特徴
・電解質も固体だから「全固体電池」
・全固体電池の基本的なしくみ
・電極活物質と固体電解質との接触面について
・固体電解質の種類について
・全固体電池のメリット
・安全性・信頼性の飛躍的向上(難燃性、副反応低減)
・高エネルギー密度化
・高電圧電池(高いボルト数を有した電池)の構築
・高出力化
・最高のリチウムイオンの輸送効率
・全固体電池開発に際して課題となる点
◆COLUMN <全固体電池の開発の実際>
・半固体電池
・水系電解質を使ったリチウムイオン電池
・ハイドレートメルトを利用した次世代電池
・より安全でより高電位のリチウムイオン電池
・リチウム空気電池
・非リチウムイオン電池 ─ 「〇〇イオン電池」
・大型の蓄電装置に適したレドックスフロー電池(RFB)
・すでに実用化されている大型の電池
・レドックスフロー電池の反応としくみ
・電力貯蔵用として再び注目される亜鉛 ─ 臭素電池
・資源的制約のないナトリウム硫黄電池(NAS電池)
・ナトリウム硫黄電池の特徴
・ナトリウム硫黄電池の形状
・レドックスフロー電池、NAS電池の応用分野
・レドックスフロー電池の活用例
・ナトリウム硫黄電池(NAS 電池)の活用例
・物理電池の代表格─太陽電池
・光エネルギーを直接電気エネルギーに変換
・太陽のエネルギーと光
◆COLUMN <日本の太陽光発電導入量>
・太陽電池の歴史
・太陽電池の発電の種類
・今もっとも一般的なシリコン系太陽電池の発電の原理
・光合成のように電気を生み出す太陽電池 ─ 色素増感太陽電池
・ヨウ化物イオンの交換で電気を取り出す
・色素増感太陽電池のメリットとデメリット
・未来の電池?─ 原子力電池
・熱電変換による原子力電池
・非熱電変換による原子力電池
・コンデンサとは ─ 電池とは違う蓄電装置
・電気回路には「コンデンサ」、蓄電装置には「キャパシタ」
・コンデンサはどの程度の電気を溜められるのか ─ 静電容量
◆COLUMN <誘電体>
・蓄電池と同様な用途に使われる「電気化学キャパシタ」
・電気二重層キャパシタ(EDLC)
・リチウムイオンキャパシタ(LIC)
・蓄電デバイスとしてのコンデンサの応用分野
◆COLUMN <トリクル充電とフロート充電>